クライマー・ボルダリング・登山・の故障・ケガ詳細解説
ボルダリングの整体院では、さまざまなクライミング傷害に対する最適な施術と、セルフケアのための個別アドバイスをおこなっています
パキり
腱・腱鞘損傷
パキった!!
指の腱損傷・腱鞘損傷・手のひらの筋損傷・前腕の筋損傷・・・
「パキり」とは、指の腱鞘(けんしょう:腱を支持するサヤ)の損傷(断裂や部分断裂を含む)を表す、クライマーの中で使われてきた、俗称です。
ケガの瞬間、「パキッ」とか「パチンッ」と音がする事があり、そのように呼ばれてきました(実際は、音がしないこともあります)。
指一本に力を込めた時
指・手のひら・手首・前腕のどこかに
明確な痛みが走るなら
まずは「パキった」と考えます
…ただ、「パキり」には、さまざまなパタンがあります。
ここでは、パキリを「指の急性損傷の一種」として解説します。つまり、「手指への強い負荷で起きた、指・掌・前腕の組織の損傷」という、広い意味でのパキリとお考えください。
指の「腱鞘(けんしょう)だけ」を傷めるケースは、ごく少数です。筋損傷や腱損傷を、併発していることが多いのです。
ケガ直後は、一番痛い場所しか気が付かないことが多いものです。1〜2週間してようやく、全体の損傷の状況が、分かってくることが多いです。
ですから、性急な判断は禁物!まず、1〜2週間休むことが重要です。
音がしなくても
「パキっている」ケースは
非常に多いです
「音がしなかったから、パキリでないと思う」、とおっしゃる患者さんもいますが、パキった時、音がするケースは2〜3割にすぎません。
指をパキった場合
傷害の2つのパタン
①痛みが「前腕や手のひら」に・・・おもに筋肉の損傷
②痛みが「指そのもの」に・・・腱・腱鞘・靭帯などの損傷
まず、どちらも「一定期間のクライミング中止」が大前提です。軽いクライミングを続けながら、”パキリ”を改善することは、できないと考えてください。それほど甘いケガではありません。
テープや鎮痛剤でごまかし、無理に登った結果、指が変形したまま、治らなくなった方を、たくさんみています。
最低でも2週間は「動かさない」「使わない」が基本。痛いところを揉んだり、伸ばしたりしても、いいことはありません(*ケガの患部以外は別)。
必要に応じ、サポーターやテープで、固定したほうが良い場合もあります。
登りながら治そうとして
失敗した方を
たくさんみてきました
登りながら治すのは、損傷後ある程度(3週間〜2ヶ月程度)時間がたち、半分程度治ってからの話です。それまでは、指を使わないようにし、治癒に全力を向けたほうが、結局トクです。
「だましだまし」登りながら治そうとすれば、治癒が長期化するだけでなく、治ったあとも慢性痛や関節変形になり、グレードが頭打ちになってしまいます。登りながら”パキリ”を治そう、とは考えないほうがいいです。
①の場合・・・改善期間は比較的短期(4−7週間)
主に筋肉にアプローチします。早期の正しい対処は、古傷にしないための「きれいな治癒」にもつながります。また、指と筋膜的に関連する、上腕〜肩甲骨・胸にかけて、筋肉の緊張を取り除くことで、治癒力をあげていきます。
②の場合・・・改善期間は比較的長期(8−15週間)
①に加え、筋肉と神経両方にアプローチし、根本的改善をすすめる必要があります。パキる方の身体は、前腕の筋バランスが、悪いことが多いです。首〜肩甲骨・胸まわりの筋肉のコリ、さらには背筋の緊張が、改善を遅らせることも多いです。
そのような観点から、全身のバランス調整もしながら、古傷にしないための「きれいな治癒」につなげることが大事です。
パキりの改善は
治りかけの対応が重要
パキったときは、”治りかけ”の対応が大事です。”リハビリクライミング”の進め方を間違えると、長期化するだけでなく、後遺症や再発に、苦しむことになります。
指のケガは、首・肩・胸・背中〜指にかけて、全体の疲労の結果、起こることがほとんどです。長期的に、疲労を減らす取り組みが、改善・再発防止のために一番の近道です。クライミング復帰にも、セルフケアの難しい背中や肩の集中ケアが必須です。
ボルダリングの整体院では、リハビリクライミングの進め方も、アドバイスさせていただき、早期での復帰と再発防止をサポートします。