闇雲にトライ=◯◯◯わるい
ー ある方の体験談から ー
施術受けながら2週間休んだら
まったくできなかった3級が一回で登れました!!
〜 強くなるには「理論」がある 〜
指の不調で、来院された方。
2回施術を受けていただいて、だいぶ良くなりました。
そこで、2週間ぶりに、登ってみてもらったのです。
3回目の来院で・・・
来院者さん
「なんか調子いいんですよ!
不調になる前、何度やってもできなかった3級の課題が、あったんですけど。昨日、一発でできちゃったんです。
なんなんですかねこれ?!」
私
「おー!良かったですね。人間の脳って、新しい動作を習得するのに、ちょっと時間が必要なんですよ。」
来院者さん
「どういうことですか?」
私
「新しい課題をやるとき、必要なのは、新しい動作の習得ですよね。それと、筋力も必要です。思ったとおりに、身体が動かないと、登れませんよね。」
「でも、それってなかなか、すぐにはできませんよね。それで、ついつい続けて、何度もトライしちゃう方、多いんです。でも、それって、ぜんぜん賢いやり方じゃないんですよ。」
「脳は、新しい動作を整理するのに、数時間〜数日、必要な場合が多いんです。」
「だから、何度か試してダメなら、少しおいてからやる。それでもだめなら、深追いせず、次回やる。そうすると、あれっと思うくらい、サクッとできることが多いんです。」
「反対に、間髪入れず、続けてトライすると、悪いことが多いんです。」
「一つは、失敗経験が蓄積してしまうこと。
続けて失敗すると、脳はそれを学習してしまうんです。つまり、わざわざ失敗動作を、身に付けてるようなものです。」
「二つ目は、疲労でムーブが変化してしまうこと。
続けてトライすれば、疲れます。同じ動作のつもりでも、だんだん、動きが変わってしまいます。これでは、ワントライずつ、課題が変化しているようなものですよ。だから、ますます、無駄打ちが増えるんです。」
「三つ目は、筋力がつかないこと。
筋力をつけるには、1回〜10回くらいしか続けられない運動を、3セット程度。これは筋トレの常識です。それ以上のセット数だと、持久トレになっても、パワーはつきません。”連続トライ=持久トレ”になってしまう。だから、ボルダーにいちばん大事な、筋パワーや瞬発力が、つかないんです。」
「四つめは、故障が増えること。
同じ動作を繰り返せば、同じ場所に強い負荷がかかります。故障の大半は、同じことを繰り返して起こりますから、これでは、”故障するために登ってる”ようなものです。
「2週間レストしたら、ふつう筋力は落ちます。でも…
①2週間の間に、脳内で、動作経験が整理された。
②レスト+施術やセルフケアで、全身の疲労がとれた。
…レストで起きた筋力低下以上に、①と②のプラスが多かった。
それで、登れたんだと思いますよ!」
こういうケースは、とても多いです。
私自身、何度も経験があります。
続けて登っても、いいことはありません。
体の声をちゃんと聞いて、落ち着いてトライする。
眼の前の課題で、今遊びたい。
…そういう生き方も、あるでしょう。
でも、強くなりたいなら、それは、得策でないことが多いのです。
眼の前の美味しいものを、毎日ちょっと我慢することができる人は、ダイエットに成功します。
眼の前の美味しいものの誘惑に、ついつい負けてしまう人は、ダイエットに失敗します。
…それと似ています。
「体の声をちゃんと聞いて、落ち着いてトライする。」
…それが上達の早道ですし、故障予防にもつながる。
そういうわけであります。