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「背中で登る」とはなにか?
  • 肩を傷めない身体の使い方
  • 肩甲骨の動きを意識した登り
  • インナーマッスルを使って登る
背中で登る
インナーマッスルが
「寝たきり」のクライマー多数 
もったいないしケガのもと!
強いクライマーは登ると大きく見える

上手いクライマー・強いクライマーは、登り始めると大きく見えます。これは、雰囲気だけの問題ではありません。

上手いクライマー・強いクライマーは、背中を使って登るので、登り始めると、肩甲骨が両サイドに広がるように動きます。

また、棘下筋を始めとした、背中・肩のインナーマッスルが発達し、それらが動くので、
背中の面積が実際に広がり、後ろ姿が本当に大きくなるのです。

「登ると​背中が大きくなる」クライマーは、背中や肩のインナーマッスルを上手に使っていると言えます。

背中や肩のインナーマッスルを上手に使うと、肩の動きがより大きくなるので、例えば…

 
  • より遠くまで手が伸びる
  • より深く引き付けできる

…といったメリットが、実際に生まれてきます。
 
インナーマッスルを上手く使えば
肩が3次元的に動く

また、インナーマッスルを上手に使うと、背中や肩が上下方向だけでなく、左右方向前後方向も含めて、「3次元的に動かせる」ようになります。そうすると、手足の位置が制限された、厳しいムーブの中でも、重心をいい位置に持っていくことができます。

例えば…、

 
  • ボリウムや、ハリボテを抱える課題で、壁から剥がされそうなとき、背中の動きで重心を壁側に引き寄せる。
     
  • クラック課題で、前腕の角度を変えず(ハンドジャムが抜けないように)、腕を固定したまま、背中の動きで重心や下半身を動かす。

…そんな動きが、できるようになります。
ダイナミックなムーブでも
「剥がされない」しなやかな動き

また、ダイナミックなムーブでは、身体が振られ、剥がされてしまうことがよくあります。そんなときも、肩や背中が3次元的に動けるクライマーは、振られの衝撃を「いなす(吸収する)」ことができます。

保持した瞬間に脚が切れるようなムーブでも、肩や背中がしなやかに動くことで、衝撃を吸収し、剥がされることなく、安定した体制に持っていくことができるのです。

…肩や背中のインナーマッスルを上手に使うと、こういった様々な動きが可能になり、より悪いホールドや、難しいムーブに対応できるようになります。

 
背中で登ると…
手や腕の自由度が増える = 故障が減る

しかし、メリットはそれだけではありません。

肩を使って重心位置を変えたり、より大きな動作が安定してできる、ということは何を意味するのか??

…それは、結果的に「手や腕の自由度も増える」ということです。

つまり…、

 
  • 指先・手首・肘への負担が減る
  • 背中を使う → 肩関節の無理な動作を回避できる
     
…といったメリットが生まれ、指・手首・肘・上腕・肩・腰…などの、「故障予防」にもつながるのです。

インナーマッスルは、大雑把に言えば「表面にない深層の筋肉」のことですが、肩・背中の場合、部分的に表面に出てくるものも含みます。ただし、肩甲下筋のように、肩甲骨の裏側にあって、ほぼ触れないものもあります。
肩のインナーマッスル
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日常でインナーマッスルの動きを
意識することはほとんどない
 
肩や背中のインナーマッスルは、もともとは肩関節が「脱臼しないための筋肉」です。

肩関節は、大きな可動域を確保するため、脱臼しやすい構造です。だから、靭帯だけで支えるのは難しいのです。そこで、インナーマッスルが、靭帯で支えきれない範囲をカバーしています。

私たちは日常、これらのインナーマッスルの動きを意識していません。
「脱臼しないように力を入れて腕を上げよう」なんて、日常で考える方はあまりいないと思います。勝手に(自然と)動いてくれているのです。

ただし、
  • 毎日のデスクワーク
  • 同じムーブや課題の繰り返し
  • 偏った姿勢のクセ
  • スマートフォンを長時間見る習慣
 
…などにより、同じ姿勢で長時間過ごすことが増えるとき、インナーマッスルも、長時間同じポジションを、維持させられているのです。
 
インナーマッスルが硬くなると
故障が増える

同じポジションを維持している間、インナーマッスルはじっと動かず、頑張っています。すると、インナーマッスルは、どんどん硬くコッてしまうのです。

肩や背中のインナーマッスルが、硬くコッてしまうと、上記したような3次元的な動きをしようとしても、小さな動きしかできなくなります。すると…、
  • 指先・手首・肘への負担が増える
  • 肩関節の無理な動作を回避できなくなる
…といった、先ほどと反対の状態になってしまいます。​
 
そしてその結果、肩の故障はもちろんですが、指・手首・肘・上腕・腰などの故障が起きやすくなってしまうのです。
多くの方のインナーマッスルは「寝たきり状態」です。先ほど書いたように、インナーマッスルは、意識的に使うことが少ないからです。
 
つまり、多くのクライマーは、アウターマッスルばかり使ってしまい、インナーマッスルが「鍛えられていない」どころか、「使われていない」状態なのです。
 
やるべきは「トレーニング」ではなく
「動かす練習」

インナーマッスルというと、とかく「鍛えること(トレーニング)」と考えがちですが、それをやると失敗します。

「寝たきりの筋肉」をいきなり鍛えたら、故障するか悪い動作のクセがつくかどちらかです。

まずやるべきは…、インナーマッスルを「動かす練習」…なのです。

具体的には、様々な方法がありますが、クライマーにわかりやすい方法として、「肩懸垂」があります。
 
*下記の「肩懸垂」は「通常の懸垂ができる方向け」の方法です。懸垂ができない方が無理にやると、筋肉を傷めることがあります。ご注意ください。

 
肩と背中の動きだけで数センチ身体は挙がる
基本の動き「肩懸垂」
「肩懸垂」は、鉄棒やハングボード(通常はガバでOK)にぶら下がり、
  1. 腕を伸ばし、肩もリラックスし、指先でぶら下がる
  2. 腕を曲げず、かつ、腕に力を入れず…
  3. …肩と脇の力で、身体を引き上げる​
     
肩甲骨の動き.jpg

​まず、指先以外は脱力した状態でぶらさがります。腰やお腹や脚の脱力を意識すると、さらに良いです。

肩甲骨の動き.jpg

​実際は、ぶら下がった状態(腕が上がった状態)ですが、肩甲骨が図の状態になるよう、脇を締めるイメージでやってみましょう。

…という動作です。
 
腕(肘)を曲げなくても、肩と脇の動きだけで、数cmは身体が挙がるはずです。これを、急がず丁寧に、数回繰り返します。
 
これは、鍛える前の「動かす練習」ですから、スピードや動きの大きさよりも、以下の点を意識してください。
  • 指先以外の腕・肘に力を入れない
  • 勢いをつけない・ゆっくり動く
  • 脚・腰・腹も脱力する
 
これが背中を使う基本動作です。
この「肩懸垂」は、背中で登る練習の一つですが、このほか、
  • 肩甲骨と腹筋・背筋の動きだけで、リーチを作る
  • 背中の動きだけで、上半身を前に引きつける
  • ​腰の動きでラクに乗り込む動作
…などもあります。
上手い or 故障の少ない or 持久力のある or 粘り強いクライマーは、「背中の動き=肩甲骨の動き」が違います。腕ではなく「背中で登る」。これだけでグレードも変わってきます。
お読みいただきありがとうございました!
ボルダリングの整体院では
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正しい動きを身に着けるには、まず背中の筋肉群が、リラックスし、ほぐれていなければなりません。

背中の筋肉群のハリやコリは、上達を妨げる原因になるだけではありません。指・手首・肘・肩など…、筋膜により、背中と直接つながっている部位の、故障の原因にもなります。

 ボルダリングの整体院の「施術」では…

   → 腕〜肩〜背中 … 動き・可動域をチェック
   → 動作を妨げる「筋肉・筋膜」の洗い出し
   → インナー&アウターマッスルの「コリ・ハリ」をリリース

   → 肩全体が協調・ムダなく正しく動くように
 
 …結果として
   
   → 指・手首・肘・肩など … 故障が減る
   → 無駄なリキミが減り、持久力アップ
   → 背中の大きな動きができるように … リーチが延びる
背中を上手に使えるようにコンディショニング
故障を防ぎながらグレードUP


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  → インナーマッスルが動かせるようになる
   → インナーマッスルが強くなる
   → インナー&アウターマッスルのバランスがよくなる
   → 肩全体で身体を支えられるようになる
   → 肩の故障が減る
  • 腕の負担が背中に分担され「指・肘・手首の故障」も減ります
  • 腕力がセーブでき「持久力」が伸びます
  • 肩で動くので「リーチ」が伸びます
「背中を上手に使った登り」を身体で覚える
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